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2023-09

タイのコーヒー収穫体験⑦ドイトゥンのコーヒー開発

タイのコーヒー収穫体験 ドイトゥンのコーヒー開発

マカデミアンナッツ工場からいよいよ本題のコーヒーへ


ドイトゥンのコーヒー開発はどのように行われているのか?実際にドイトゥンエリアで珈琲開発に取り組んでいる現地指導員の代表の方に説明をしていただきました。

タイ人ではなくシャン族の方、ルアンさん。


こちらが珈琲の木

このエリアには現在800世帯のコーヒー生産者メンバーが300万本のコーヒーの木を栽培しています。

ルアンさんを含めて、15人のメンバーの農地指導員が各生産者を指導しています。



ルアンさん率いるチームでは、農業指導だけでなく、どんなふうに品種をよくしていくか、剪定方法、肥料のやり方など、実験や検証を行っています。勿論、開発実験エリアでやる以外に。実際に熱心な生産者が自分の土地を提供して試してほしいというものもいます。そんな中で実験にが改善やより良い方向に進み、それに値する代価をこちらが支払う事によって、他の生産者にとってもよりいいものを作ろう!と言う刺激になるという事です。 そういった自己啓発を生産者事態に促し、興味を持って取り組んでもらう事がドイトゥンのコーヒー全体をより良いものにする、レベルを上げるという結果につながるそうです。



そばには、バナナの木も植えられています。
大きな葉っぱがシェードになります。



主に、このエリアでは、カティモールという品種のコーヒーの木が植えられています。

ですが、カティモール以外の品種も植え、どの品種がこのタイのエリアに合っているのか?というリサーチもしています。

その品種実験については、ドイトゥン開発プロジェクトにて川島さんが指導し、昨年5月に8品種を植え、現在進行中です。

結果が出るまでには3年はかかります。

どの品種が、気候にあい、収量がいいのか?新しい試みをどんどんしています。

農業技術指導員として任命された川島さんは、現地の指導員を教育、いろいろな情報や技術を伝えています。今回のツアーでもその指導内容を見学させていただきました。

品種の実験では、中南米で病気に強い品種を持ってきています。

数年後に、収穫、精製、ロースト、カッピングまでを行いそれぞれに品質チェックを行う予定です。

成長速度、収量などを見極めながら、ドイトゥンのエリアに合った珈琲ができたらよりよい、新しいラインでドイトゥンコーヒーが販売できるようになります。




珈琲豆の品種は大きく分けてアラビカ種とカネフォーラ種に大別されます。
アラビカ種は栽培種の中で約7割以上の生産量をしめています、。カネフォーラ種はロブスタ種ともいわれ栽培種の3割を占めています。ロブスタはアラビカに比べ、、比較的標高の低いエリアの高温多湿のもとでも育つので、手入れしなくても耐えられる強い品種と言われています。一方、高地の気候を好むアラビカ種は、さび病などのコーヒー特有の病気にもかかりやすい特徴があります。

ロブスタ種は、普段私たちの飲んでいるコーヒーにはめったにない珈琲ですが、インスタントコーヒーなどに加工されたり、比較的安価なコーヒーのブレンドに使われています。

アラビカ種には、在来種、交配種、突然変異などによって様々な種類にわけられました。カティモール種もそんな一種の一つです。

四季のある日本では、冬の寒さが厳しく、日照時間の問題もあり、中々コーヒーの木を商売として育てる事は難しいので、輸入に頼るしかない現状です。 コーヒーの主な生産地は、今回のタイも含めて、年間の気温差が少ない熱帯地方。

実際の栽培地では、快適で過ごしやすい山岳部の気候です。

適度な気温

平均気温が22℃が適温といわれています。
適温を超えると、早く実がなり、収穫過多、樹の衰えもより速くなり、病気にかかりやすくなります。

適度な日照
コーヒーは温かい所を好みますが、直射日光が当たりすぎると、葉の温度上昇が激しく光合成が低下。
直射日光が当たらない山の東側の緩やかな傾斜面に植えられます。
それ以外の場所で植える際には、シェードツリーが活躍。日よけとして一緒に植えられます。

適度な降雨
年間1200~1600㎜の降水量が必要です。
干ばつや、降る時期のずれも栽培に影響が出るので大切です。

適度な標高
中米、コロンビア、東アフリカなどでは標高1000m~2000mの高地
赤道から遠い国では、気温は低くなるので、低地での栽培となります。
一般に標高高いほど、昼夜の寒暖差が大きく、完熟度が上がるといわれています。(より高品質9

適度な土壌
多くの産地は火山と関係があり、溶岩や火山灰土と言われています。火山灰土は、腐植に富み、土壌が深く、排水性が良いといわれてい明日。窒素やリンを含み、水分や養分を保持し、土壌侵食や風食を防止します。

雨季と乾季
日本とは違う熱帯モンスーン気候。
雨季と乾季があります。乾季の終わりに降る雨の刺激によって一気に花が開花し、一斉に実をつけるといわれています。コーヒーの収穫期は3年目以降から始まり年に1回。2回の雨季と乾季がある地域では年に2回収穫のある地域もあるのだそうです。

こうやってコーヒーの栽培条件をあらためて見ると、やはり日本では難しいのだな…と感じます。

タイは、熱帯モンスーン気候
3~5月 暑期 1年で一番気温が高い時期
6~10月は雨期 1日に数度激しいスコールがある
11月~2月乾季 ほとんど雨は降らず気候が安定、ベストシーズン

タイの年間コーヒー収穫カレンダーはこのように↓



10月~1月 珈琲豆の収穫時期(乾季のベストシーズン)

3月(暑期)
苗床を整える、種を植える


4月~6月(暑期~雨季)
発芽、植えつけ、剪定など



5月~6月(暑期~雨季)
花が咲く


6月(雨季)
植えつけ



7月(雨季)
花が咲き、実がなり始める



タイでのコーヒー栽培


コーヒーの種をセレクトします。





種から発芽した二葉でいい苗をセレクトします。
ポッドに移し替え、苗の根の張り方をチェックします。



種処から、ポッドへ植え替え、双葉がおち、本場が出てきます。
この頃から肥料を必要とします。畑へ植え付けし、順調にいけば、3年後に収穫できます。




花が咲く

収穫



完熟豆を積んだ後は、更にウォーターチェックにてクオリティチェックします。水に沈ませて浮いた実、枯葉、枝などは取り除きます。



収穫後、クオリティチェック後は、ウェットミルへ。
収穫後は、すぐにウェットミルにて果肉を除去。珈琲が腐敗しないようにすぐに行います。



ルアンさん率いるチームでは、生産者にこの辺までのコーヒーの指導を行っています。

まとめると、
4~5月 剪定
5月~6月 開花
6月~7月植えつけ
7月 花が咲き、実がなり始める
10~2月 収穫期
6月から10月の雨季に入る前に5月に枝を落とす、剪定。

コーヒーの年間スケジュール
気候に合わせて



見渡すと、日本ではなじみのない土が広がっています。
コーヒーには相性がいいのでしょうね。
コーヒーの栽培。
植えても3年後からの収穫となり、大変です。
更に美味しさを求めると、細かな工程が、種に影響し、最終的に美味しいかどうかに影響します。細かな工程は、決して楽なものではないですが…。
ただ植えればいいのではないのですね。
ですが、こういった、ルアンさんのような指導員の方が、タイの珈琲をよくするために取り組んでいるのは、今後も期待ができますね。



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