カリタとハリオと相性のいい珈琲
今日は、ご来店のお客様より、珈琲のちょっとした疑問をお伺いしました。
「使用している珈琲器具はペーパードリップ。
自分で豆を挽いてドリップされているのですが、カリタ式ドリッパーで淹れる時と、ハリオ式ドリッパーで淹れる時のあきらかな味の違いについて。全然違う味にどちらで淹れても淹れやすく美味しい珈琲豆は?」
なるほど、普段はあまり意識したことがありませんが、お客様の中にも、やはり数種類のドリッパーを持ち、それぞれを使う際に感じる大きな違い。
松崎は逆に質問を返しました。
「味の違いというと、ハリオではややしっかりめに、カリタでは軽いアメリカンタイプになりませんか?」と言うと大方そのようでした。
ペーパードリッパーも様々、その一つ一つを説明しだすときりがありませんが、カリタとハリオは大きく異なる点がある相反するタイプのドリッパーだと思います。味の傾向も出方も違うので、テイスティングしても明らかで面白いと思います。
(ペーパードリップに必要なもの)
ドリッパー + 形状に合わせた紙フィルター
他、サーバー、ドリップポットは、ドリッパーが違っても共通して必要になるもの。
(抽出のコツ)
珈琲の粉に万遍なく必要最小限の水分を含ませ温める事(蒸らし) 十分に温まった後の湿った粉にお湯を注いで珈琲を作る。
ドリッパー内にたまった抽出液は最後まで落とし切らない方が、雑味が入りにくい。
上記に挙げた点が一般的なポイントと言えます。
(ドリッパーのタイプ)
扇形:横から見ると台形 カリタやメリタに代表される日本人が最も使用している形状です。
カリタ式にフォーカスすると穴が3つ扇形 リブが複数あり上部まで伸び、ペーパーとドリッパーに空気の抜け道が沢山出来るため、必然的に抽出は早くなる傾向。
円錐形:横から見ると逆円錐形 コーノやハリオに代表される形状で抽出のコントロールがしやすく一般の方からプロまで愛用している。
ハリオ式にフォーカスすると大きな一つ穴、ペーパーとドリッパーの間に空気の入りやすいリブが複数あり上部まで伸びている。湯が落ちやすい。
ウェーブ型:カリタ式ウェーブ型ドリッパーの事。横から見ると粉の層が均一に堆積している。
穴は3つあるが、ドリッパー自体に穴はない。そしてウェーブ型のペーパーがドリッパーとの間に空気の抜け道を作り抽出がスムーズに行く。ペーパーフィルターは、ドリッパーのそこには完全に密着しない構造のため、珈琲のろ過が自然に行われやすい。
それぞれには、抽出する際のコツがあります。
最初は意味が分からなくても、意外に複数のドリッパーを使うとあれれ!と気が付くことが多いのです。
写真で比べてみました。3タイプ
左からカリタ3つ穴扇形
中央1つ穴ハリオ円錐形
右側カリタ3つ穴ウェーブ型
上から見た粉の層
横から見た粉の層
同じ量を入れた時にできる粉の層をイメージし絵に描いてみました。
コーヒーはここで結構変わります。粉の層と味のバランス。
このように
ドリッパーの形状の違いは粉をドリッパーに淹れたときの粉の層に関係します。断面を見ると粉の層は深い所と浅い所が存在しますね。
扇形は台形型に層になり、円錐形は底一点に向かい層が深くなり、ウェーブ型では、ほぼ均一に粉が広がっています。
珈琲の抽出は、粉にまんべんなくお湯を注ぐことで抽出むらを防ぎ渋みが出にくくなります。味はしっかりと引き出せます。
お湯は一か所に注ぎすぎてもうまくいきません。
この3種の内一番注ぎやすいのは、上からどの辺にお湯をいれてもほぼ均一に湯が落ちる構造のカリタウェーブ式。
一番、粉の層の深さの大小が大きいのはハリオです。
ハリオでは、粉の層の深さに差があり、注ぎによって味が変わりやすくなります。穴が大きく早くおちやすいリブを持つ形状のためよほど慣れた人かもしくは粉を細かくしないと早く落ちやすいのです。が裏腹に円錐構造は、お湯が粉に浸る時間が長いため、想像以上に味がでます。細かくすると苦みがしっかり出やすいのでその辺も注意です。
粉の層の大小が激しいハリオは珈琲の味が一番安定しづらいドリッパーです。
ですが、抽出の勉強をしたい、珈琲を淹れるのを楽しみたい方は毎回違う味になるハリオに魅力を感じるはずです。
同じ抽出条件で、カリタとハリオで淹れて、早く落ちたとしても味の成分はよく出る事がたびたび起こります。
またカリタ式では、上から注いだお湯がハリオよりも底に行くまでの時間が早く、味ができる前に3つの穴から珈琲が落ちていきます。
カリタでは、ただ単に薄い時と、味が出きってない状態の水っぽい状態があります。前者は、お湯をたっぷり注いでしまう人に多く、後者は、ただ単に抽出量を少し減らせばしっかりとした珈琲感が味わえます。
どうしてもコントロールできない場合は、やはり粉を細かめにすることをおすすめします。
いつもと同じ分量で味もしっかり。ちょっと得した気分。
何にせよ、珈琲は嗜好品です。
淹れ方は自分の味覚の好みに反映されます。
ライトなカリタにはカリタの良さがあり、コク㋐ボディのある珈琲を作れるハリオにもその良さがあり、自分にとって何がいいかがやはり大切。
速い抽出になりやすいカリタやハリオ式にお勧めの珈琲豆。
時間をかけてじっくり味を出すと美味しい深煎り珈琲豆は、ちょっと難しいかもしれません。
逆に早く淹れて美味しい焙煎の珈琲豆、ミディアムロースト、ハイ…浅目から中間帯の焙煎の珈琲豆が淹れやすいかな☆☆!!
という見解でした。
豆の粗さについても色々あったので、抽出に使える3パターンの粗さを伝授いたしました。
荒目 中目 細かめ 3タイプ使い分けで珈琲はもっと美味しくなります。
今日も一日珈琲好きの方が訪れました。
また何なりとご質問くださいませ。
ご来店ありがとうございました。
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Re: タイトルなし
紹介されていた珈琲店の抽出方法は、数ある抽出方法の中の一つだと思います。今回の内容は、ごく浅煎り という点ではそうですが、使用している珈琲が高品質のスペシャルティコーヒーという事でしたね。豆の持ち味を生かせる浅い焙煎では、見た内容の通りドリップしても中々豆が浮かないという抽出時に難点があります。紹介されたような淹れ方が絶対というわけではないと思いますが、限定した珈琲豆、焙煎度 抽出器によってうまく淹れているのだと想像します。すべての珈琲にうまくいくわけではないので、一概に言えません。まず、世に出回っている珈琲豆事態が、スペシャルティーコーヒーばかりではなく色々な珈琲があり、人ぞれぞれ美味しいと思う珈琲は違うと思います。一番いいのは、購入されるお店でアドバイスを受ける事が美味しい珈琲を淹れる第1歩と思っています。焙煎から販売まで行っているお店では、豆に合わせた美味しい淹れ方を熟知していると察します。
上手くお答えできてないかもしれませんが、伝われば幸いです。(^_^;)
今後も宜しくお願いします。
機会があったら、上記のお店に行ってみます。
昔、まだコーヒーにそれほど拘りが無かった頃、メリタのドリッパーに薬缶から一気にお湯を注いでいたのを思い出しました。
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ここで紹介されているドリップは、極浅炒りの豆用の淹れ方なんでしょうか?
http://r.gnavi.co.jp/g-interview/entry/2101