ネルドリップ虎の巻⑤浅いと深いと味の関係
ネルドリップ虎の巻⑤浅いと深い と味の関係
ネルドリップのサイズ選び から始まり今日はネルの袋の大きさと粉の層と味の関係にフォーカスしました。
本日の議題は、小さなネルの袋いっぱいに粉を使って淹れる珈琲と余裕をもって大き目のネルで淹れる珈琲の違い。
使用するのは、お店のネルフィルターです。
写真左が1杯用ネル
写真右が2杯用ネル
どちらも同じ素材でサイズ違いです。
今日は、深煎りの百万石ブレンドを30g使って珈琲2杯分淹れます。
粉の粗さは中挽き、両方とも同じ粉の粗さです。
横から見た粉の感じ。
1杯用にはぎっしり。
2杯用には半分くらい。
見た目からも全然違いますね。

上から覗くとこんな風に。
1杯用に入っていると沢山に見え、2杯用のネルに入っていると少なく見えます。

検証① 1杯用ネルで百万石ブレンドを2杯分抽出します。粉30g
粉がぎっしち詰まっているので、お湯は、そーっと淹れます。
蒸らし時間をゆっくりと
少しずつお湯を注いでいきます。

粉は、袋の形に合わせて整えました。

ネルフィルターの場合は、ネル側に直接お湯を注ぐとネルからするする湯が抜けてしまいます。
袋側にはお湯はかけずに粉の中心に500円だまくらいを目安に円状に注ぎます。

口の細い粉の表面が万遍なく湯がいきわたったころにはお湯は中心に注ぎます。

粉の層が一番深いのはこの中心です。
なので、最初は重点的にお湯を注ぎます。


最初の一滴までは、長いのですが落ち始めたら早いのです。

溢れそうで溢れない。
あっという間に抽出完了。
約2分。

↓1杯用ネルドリップ 百万石 2杯分 動画
↑
検証②2杯用のネルフィルターで百万石ブレンドを2杯分抽出します。粉30g
ネルの袋の半量しか入ってない粉。
余裕があるのですが、沢山注ぐとそれだけ落ちるのも早いので注意。
蒸らしは、1杯用のネルよりもやや大胆に注いでも大丈夫。
粉の表面積が大きく、最初に円状に湯を注ぐ範囲も広げることによって万遍なく粉とお湯を浸す事をイメージしましょう。

ゆっくりというより細く垂直に丁寧に淹れましょう。
この際に、湯を太く、高い位置からばしゃっと注ぐと、味は不思議なことにきつくなっちゃいます。
粉に圧をかけずに優しくしましょう。

最初の一滴もやや早めにスタートしました。

同じく、落ち始めたら軽やかに早いのです。

抽出されたコーヒーの液体は澄んで綺麗、


なんとなく早いな…と抽出完了。
写真左2杯用、右が1杯用。

↓動画 2杯用ネルドリップ
↑
結果
同じ百万石ブレンドを2種類のネルフィルターで同じ条件で抽出しテイスティングしました。

小さいネルに入れた百万石ブレンド。
大きなネルに入れた百万石ブレンド。

この2つの大きな違いは粉の層の深さです。
よく見てみるとわかりますね。
粉の層が深くてぴちぴちの1杯用ネルで淹れた検証①の百万石ブレンド
ろ過に時間がかかり、特に蒸らしの際の最初の一滴に時間がかかります。
粉とお湯の接触時間が長く、味はしっかり濃い目。ストロング。コク、ボディ、苦みややしっかり目の百万石ブレンドに仕上がりました。
一方で粉の層が浅く、口の広い2杯用のフィルターに入った検証②の百万石ブレンド
見ての通り、粉の層が浅い。ろ過は普通に注ぐと上部から下部までに湯が通る道のりは早く。より多めのお湯を最初に粉の表面に注ぐ工夫が必要となります。そうしないと、部分的にお湯が多く入り、少ない箇所との抽出時間の差ができるので、味ムラの原因になります。
袋が大きい分粉の層が浅くろ過時間は早くなります。味は検証①に比べ軽やか。ボディ、苦み、酸味が円やか。後味に爽やかな酸味をほのかに感じます。良質の甘みを伴った苦みも感じ、全体的にバランスのとれた珈琲になりました。
層が深い1杯用ネルで淹れた百万石は、ややストロングでコクや苦みテイスト。
層が浅い2杯用ネルで淹れた百万石は、絶妙のバランスでブラックでもすいすい飲める珈琲になりました。
私たちスタッフ間では、無理なく注ぐことのできた2杯用ネルで淹れた百万石に評価が高くつきました。
ストロングテイスト好みの方は1杯用ネルで工夫を、あっさりテイストは2杯用ネルで。
通常、ペーパードリップでは、1杯用ネルドリップで淹れるような淹れ方をするお抽出に時間がかかりかなり、くどみが出ます。1杯用ネルのような淹れ方はネルならではの淹れ方。ペーパーはろ過速度に限度があり、無理がありますね(^_^;)
ネルフィルターを浅く使う、深く使う…両者の味の違いをイメージしながら珈琲の種類によって淹れ替えてみるのも面白いですよ♪(^^)
1杯用ネルは口が細く層が深いので抽出する湯の注ぎがやや難しいという難点もありますが、濃いめの抽出は得意。
ちなみに金澤屋珈琲店のネルドリップメニュー「極みブレンド」

この極みに使用しているネルフィルターは1杯用です。
深煎りであればあるほど嵩がますので抽出前から溢れそうです!
がこの「極みブレンド」は2杯用で淹れるよりも1杯用がイメージする凝縮されて旨みを感じる極みの味でした!
美味しいけど毎回淹れるのが難しい・・
ネルドリップのサイズ選び から始まり今日はネルの袋の大きさと粉の層と味の関係にフォーカスしました。
本日の議題は、小さなネルの袋いっぱいに粉を使って淹れる珈琲と余裕をもって大き目のネルで淹れる珈琲の違い。
使用するのは、お店のネルフィルターです。
写真左が1杯用ネル
写真右が2杯用ネル
どちらも同じ素材でサイズ違いです。
今日は、深煎りの百万石ブレンドを30g使って珈琲2杯分淹れます。
粉の粗さは中挽き、両方とも同じ粉の粗さです。
横から見た粉の感じ。
1杯用にはぎっしり。
2杯用には半分くらい。
見た目からも全然違いますね。

上から覗くとこんな風に。
1杯用に入っていると沢山に見え、2杯用のネルに入っていると少なく見えます。

検証① 1杯用ネルで百万石ブレンドを2杯分抽出します。粉30g
粉がぎっしち詰まっているので、お湯は、そーっと淹れます。
蒸らし時間をゆっくりと
少しずつお湯を注いでいきます。

粉は、袋の形に合わせて整えました。

ネルフィルターの場合は、ネル側に直接お湯を注ぐとネルからするする湯が抜けてしまいます。
袋側にはお湯はかけずに粉の中心に500円だまくらいを目安に円状に注ぎます。

口の細い粉の表面が万遍なく湯がいきわたったころにはお湯は中心に注ぎます。

粉の層が一番深いのはこの中心です。
なので、最初は重点的にお湯を注ぎます。


最初の一滴までは、長いのですが落ち始めたら早いのです。

溢れそうで溢れない。
あっという間に抽出完了。
約2分。

↓1杯用ネルドリップ 百万石 2杯分 動画
↑
検証②2杯用のネルフィルターで百万石ブレンドを2杯分抽出します。粉30g
ネルの袋の半量しか入ってない粉。
余裕があるのですが、沢山注ぐとそれだけ落ちるのも早いので注意。
蒸らしは、1杯用のネルよりもやや大胆に注いでも大丈夫。
粉の表面積が大きく、最初に円状に湯を注ぐ範囲も広げることによって万遍なく粉とお湯を浸す事をイメージしましょう。

ゆっくりというより細く垂直に丁寧に淹れましょう。
この際に、湯を太く、高い位置からばしゃっと注ぐと、味は不思議なことにきつくなっちゃいます。
粉に圧をかけずに優しくしましょう。

最初の一滴もやや早めにスタートしました。

同じく、落ち始めたら軽やかに早いのです。

抽出されたコーヒーの液体は澄んで綺麗、


なんとなく早いな…と抽出完了。
写真左2杯用、右が1杯用。

↓動画 2杯用ネルドリップ
↑
結果
同じ百万石ブレンドを2種類のネルフィルターで同じ条件で抽出しテイスティングしました。

小さいネルに入れた百万石ブレンド。
大きなネルに入れた百万石ブレンド。

この2つの大きな違いは粉の層の深さです。
よく見てみるとわかりますね。
粉の層が深くてぴちぴちの1杯用ネルで淹れた検証①の百万石ブレンド
ろ過に時間がかかり、特に蒸らしの際の最初の一滴に時間がかかります。
粉とお湯の接触時間が長く、味はしっかり濃い目。ストロング。コク、ボディ、苦みややしっかり目の百万石ブレンドに仕上がりました。
一方で粉の層が浅く、口の広い2杯用のフィルターに入った検証②の百万石ブレンド
見ての通り、粉の層が浅い。ろ過は普通に注ぐと上部から下部までに湯が通る道のりは早く。より多めのお湯を最初に粉の表面に注ぐ工夫が必要となります。そうしないと、部分的にお湯が多く入り、少ない箇所との抽出時間の差ができるので、味ムラの原因になります。
袋が大きい分粉の層が浅くろ過時間は早くなります。味は検証①に比べ軽やか。ボディ、苦み、酸味が円やか。後味に爽やかな酸味をほのかに感じます。良質の甘みを伴った苦みも感じ、全体的にバランスのとれた珈琲になりました。
層が深い1杯用ネルで淹れた百万石は、ややストロングでコクや苦みテイスト。
層が浅い2杯用ネルで淹れた百万石は、絶妙のバランスでブラックでもすいすい飲める珈琲になりました。
私たちスタッフ間では、無理なく注ぐことのできた2杯用ネルで淹れた百万石に評価が高くつきました。
ストロングテイスト好みの方は1杯用ネルで工夫を、あっさりテイストは2杯用ネルで。
通常、ペーパードリップでは、1杯用ネルドリップで淹れるような淹れ方をするお抽出に時間がかかりかなり、くどみが出ます。1杯用ネルのような淹れ方はネルならではの淹れ方。ペーパーはろ過速度に限度があり、無理がありますね(^_^;)
ネルフィルターを浅く使う、深く使う…両者の味の違いをイメージしながら珈琲の種類によって淹れ替えてみるのも面白いですよ♪(^^)
1杯用ネルは口が細く層が深いので抽出する湯の注ぎがやや難しいという難点もありますが、濃いめの抽出は得意。
ちなみに金澤屋珈琲店のネルドリップメニュー「極みブレンド」

この極みに使用しているネルフィルターは1杯用です。
深煎りであればあるほど嵩がますので抽出前から溢れそうです!
がこの「極みブレンド」は2杯用で淹れるよりも1杯用がイメージする凝縮されて旨みを感じる極みの味でした!
美味しいけど毎回淹れるのが難しい・・
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