【ペーパーフィルターを考える⑨】―CAFECアバカ焙煎度別ペーパーフィルター×辻和金網
【ペーパーフィルターを考える⑨】―CAFECアバカ焙煎度別ペーパーフィルター×辻和金網
紙フィルターの検証ブログ実践編です。
今回は、辻和金網さんの金網ドリッパーで検証します。
「CAFECアバカプラスペーパーフィルター」
三洋産業さんから発売されているこちらのペーパーフィルター
噂によると…プロも愛用の他、競技会でもトップレベルの方たちが使用している
今話題の紙フィルターです。
ペーパードリップでは欠かせないペーパーフィルター、通称紙フィルターや、紙と呼ばれるこの
ペーパーのお話。
知らない人からするとペーパーでも味が変わるの?と驚愕の世界です。
検証したのは、金澤屋珈琲店のスタッフの見解によるものであり
絶対ではございませんので感想という形でご報告致します。
あくまでも意見として…ご了承くださいませ。
参考までに。
<金澤屋流検証方法>
焙煎度別に用意したコーヒー豆3種類を1杯抽出 抽出量は、計量り落とし切りにて検証
お湯の温度は、CAFECさんの推奨するそれぞれの焙煎度の理想とする温度で淹れる
比較対象として、通常使用しているオリジナルコットンパワーフィルターを使用
注ぎ方は、金澤屋流 蒸らしの後数回に分けて抽出。180g落とし切り
コーヒー粉(浅煎り・中深煎り・深煎り)15g
粉の粗さ 中挽き
180g落とし切り
「オリジナルコットンパワーフィルターについて」
コットンパワーフィルターと呼ばれるフィルターです。
円錐形
コットンという名の通りコットン繊維が使われ
ネルフィルターの起毛のような役割を
コットンがしてくれます。
ろ過速度は遅め
味わいは、しっかり
口当たりまろやか
円い印象のコーヒーになるのが特徴です。
「辻和金網コーヒードリッパーについて」
京都の金網細工の辻和金網。
なんと創業80年以上続く老舗。
暮らしに役立つちょっとした道具を金網細工で。
一つ一つ職人さんの手仕事で造られています。
プロ用の料亭では勿論、一般家庭にも役に立つ商品が沢山。
茶こし、焼き網、おとしぶた、手編みかご、コースター、おしぼりいれ、湯豆腐杓子
手編み水切り皿セット、胡麻煎り、銀杏煎り…
そして、手編みコーヒードリッパー。
「辻和金網 手編みコーヒードリッパー」
ステンレス製と銅製があり…
今回こちらにあるのは、銅製1~2杯用サイズです。
金網の芸術的な編み目に思わず見とれてしまいます。
円錐形にうまく造られています。
持ち手部分がとても丈夫です。
お値段はこちら↓
ドリッパーとして見ると効果ですが、この網一つ一つが手作りと見ると
決して高くはないお値段です。
- 品 番
- C010
- サイズ
- *ドリッパー 直径8cm・全長16cm(持ち手6cm)・深さ5cm
*スタンド 内寸9cmまでのカップに対応販売価格 5,500円(税込)
形状をご覧の通り、穴一つの円錐形。
紙は円錐形を使います。
メーカー情報
京都府京都市中京区堺町通夷川下る亀屋町175
TEL:075-231-7368
FAX:075-231-7344
営業時間:9:00~18:00
定休日:日・祝日
①浅煎りコーヒー豆 湯温92℃
コットンパワーフィルター 略称をコットンと呼びます。
アバカ+ペーパーフィルター浅煎り用 略称をアバカ浅煎りと呼びます。
コットンとアバカで浅煎りのコーヒー豆を92℃のお湯の温度で淹れました。
同じ豆で淹れ方ですが、コットンで1分28秒アバカで1分25秒弱ほぼ同じ速度と言えます。
ほぼ同じ時間をかけていれたコーヒーですが飲んでびっくり!
コットンで淹れた方は、飲み口が若干ライト後から追いかけるように柔らかな酸味が持続しました。
ボディは弱く感じます。
アバカでは、一口目に浅煎りらしい輪郭のある酸味をきりっと。そして飲み口がマイルド。
もう一口飲んで見たくなる、そんなバランスの良さを感じました。
コットンでは、やや薄く
アバカでは浅煎りの良さがはっきりと出ています。
これはアバカと辻金網の相性が良いと言えます。
②中深煎りコーヒー豆 湯温90℃
コットンパワーフィルター 略称をコットンと呼びます。
アバカ+ペーパーフィルター中深煎り 略称をアバカと呼びます。
中速でろ過という事で…コットンで2分弱、アバカでも2分弱。
一見同じ速度でろ過ですので…同じ味になりそうですがこちらもまた違いが出ました。
中深煎りらしい、ボディ感に加えて酸も綺麗にでていたのがアバカ。
苦味と酸味のバランスがよくどちらもほどよく出ています。
コットンでは、やや苦味よりの偏った味わい。
ですが後口がもう一つ物足りなさも感じました。
冷めた後にコットンの方で若干渋みを感じました。
こちらもアバカの方が相性が良いようです。
③深煎りコーヒー豆 湯温83℃
コットンパワーフィルター 略称をコットンと呼びます。
アバカ+ペーパーフィルター深煎り用 略称をアバカと呼びます。
苦味とコクをまろやかに引き出すのが得意なコットンパワーフィルター
深みとまろやかさが出ていたのはコットン。
時間にして2分半。
アバカで2分20秒
さながら、アバカも深煎りらしい苦味と甘さが良い余韻となって後口に広がりました。
この比較では、コットンもアバカも良い味わい。
甲乙つけがたいですが、アバカの方が後口がクリーンに感じたのは気のせいか・・・
という若干の違いだけです。
どちらも美味しいと言えます。
以上
3種類のコーヒーの感想でした。
辻金網手編みコーヒードリッパー
使った印象としては、何も考えずにいれると、普段のドリッパーよりも早くろ過されます。
ご覧の通り、金網の造りからしてもお湯の抜けが早くなる構造故です。
とは言え、安物の網ドリッパーとは勿論味は別格です。
しかしながら、紙の違いは他のどのメーカーさんのものよりも分かりやすく
出ていたのでは!と確信しています。
見た目にも
味わい的にもよくできたコーヒードリッパーです。
【ペーパーフィルターを考える⑩】―CAFECアバカ焙煎度別ペーパーフィルター×フラワードリッパー
【ペーパーフィルターを考える⑩】―CAFECアバカ焙煎度別ペーパーフィルター×フラワードリッパー
紙フィルターの検証ブログ実践編です。
今回は、三洋産業さんのフラワードリッパーで検証します。
「CAFECアバカプラスペーパーフィルター」
三洋産業さんから発売されているこちらのペーパーフィルター
噂によると…プロも愛用の他、競技会でもトップレベルの方たちが使用している
今話題の紙フィルターです。
ペーパードリップでは欠かせないペーパーフィルター、通称紙フィルターや、紙と呼ばれるこの
ペーパーのお話。
知らない人からするとペーパーでも味が変わるの?と驚愕の世界です。
検証したのは、金澤屋珈琲店のスタッフの見解によるものであり
絶対ではございませんので感想という形でご報告致します。
あくまでも意見として…ご了承くださいませ。
参考までに。
<金澤屋流検証方法>
焙煎度別に用意したコーヒー豆3種類を1杯抽出 抽出量は、計量り落とし切りにて検証
お湯の温度は、CAFECさんの推奨するそれぞれの焙煎度の理想とする温度で淹れる
比較対象として、通常使用しているオリジナルコットンパワーフィルターを使用
注ぎ方は、金澤屋流 蒸らしの後数回に分けて抽出。180g落とし切り
コーヒー粉(浅煎り・中深煎り・深煎り)15g
粉の粗さ 中挽き
180g落とし切り
「オリジナルコットンパワーフィルターについて」
コットンパワーフィルターと呼ばれるフィルターです。
円錐形
コットンという名の通りコットン繊維が使われ
ネルフィルターの起毛のような役割を
コットンがしてくれます。
ろ過速度は遅め
味わいは、しっかり
口当たりまろやか
円い印象のコーヒーになるのが特徴です。
「フラワードリッパーについて」

有田焼と樹脂製があります。
有田焼は、磁器の分類に入り素地が白く滑らかできめが細かい。そして固くて丈夫。
パステル調のカラーに表現できたのは、この磁器ならではの特徴です。
順番に特徴を見てみます。ドリッパー内のリブのつき方もなんと花びら(^_^;)
空気層ができ、布フィルターのような膨らみとろ過速度が安定、注いだだけろ過されやすく珈琲がドリッパー内でたまりにくい。
雑味が少ないクリアな味わい。
フラワードリッパーでの検証です。
①浅煎りコーヒー豆 湯温92℃
コットンパワーフィルター 略称をコットンと呼びます。
アバカ+ペーパーフィルター浅煎り用 略称をアバカ浅煎りと呼びます。
コットンとアバカ抽出時間は、他のドリッパーよりもやや長めに感じましたが2分強。
どちらも差がないように感じました。
味わいは、コットンが厚く、やはりアバカがライト。
コットンでは、濃度が濃いとはっきりわかる位濃い目に。
アバカは、マイルドに入りました。
ややストロングな味わいだったコットンに比べて浅煎りの優しさが出たアバカが良い
という意見で決まりました。
かなり、味が出やすいドリッパーのようです。
②中深煎りコーヒー豆 湯温90℃
コットンパワーフィルター 略称をコットンと呼びます。
アバカ+ペーパーフィルター中深煎り用 略称をアバカと呼びます。
コットンとアバカ。
コットンで2分半、アバカで2分20秒ほど。
酸味と苦みの双方がバランスよく抽出で来ていたのがアバカ。
コットンも一口目にはいい印象でしたが、冷めてから飲んだクリアさがあったのがアバカ。
こちらもアバカが好きと好みがはっきりと出ました。
③深煎りコーヒー豆 湯温83℃
コットンパワーフィルター 略称をコットンと呼びます。
アバカ+ペーパーフィルター深煎り用 略称をアバカと呼びます。
コットンで2分40秒
アバカで2分半ほど。
苦味と甘味がバランスよく出たコットン
同じようにアバカも柔らかに苦味と甘味が。
甲乙つけがたい味です。
苦味系が得意なコットンパワーフィルターとアバカどちらも味が似ていて美味しい
という結果に。
まとめるとフラワードリッパーでは、浅煎りと中深煎りでアバカが良い
深煎りでは、同じ位美味しいという評価になりました。
いずれにせよ、フラワードリッパーでは、この3種の紙フィルターを揃えれば
どのコーヒーも美味しくなる!という結果になりましたね。
以上
3種類のコーヒーの感想でした。
【ペーパーフィルターを考える⑦】―CAFECアバカプラスペーパーフィルター×コーノ
【ペーパーフィルターを考える⑦】―CAFECアバカプラスペーパーフィルター×コーノ
紙フィルターの検証ブログ実践編です。
本来ならば、CAFECさんのフラワードリッパーでしょ!となるかも知れませんが
毎日使っているドリッパーでこそ試して見たい!と踏まえ…
金澤屋珈琲店で愛用中のフィルター、
スタートは、コーノ式円錐フィルターで検証します。
「CAFECアバカプラスペーパーフィルター」
三洋産業さんから発売されているこちらのペーパーフィルター
噂によると…プロも愛用の他、競技会でもトップレベルの方たちが使用している
今話題の紙フィルターです。
ペーパードリップでは欠かせないペーパーフィルター、通称紙フィルターや、紙と呼ばれるこの
ペーパーのお話。
知らない人からするとペーパーでも味が変わるの?と驚愕の世界です。
検証したのは、金澤屋珈琲店のスタッフの見解によるものであり
絶対ではございませんので感想という形でご報告致します。
あくまでも意見として…ご了承くださいませ。
参考までに。
<金澤屋流検証方法>
焙煎度別に用意したコーヒー豆3種類を1杯抽出 抽出量は、計量り落とし切りにて検証
お湯の温度は、CAFECさんの推奨するそれぞれの焙煎度の理想とする温度で淹れる
比較対象として、通常使用しているオリジナルコットンパワーフィルターを使用
注ぎ方は、金澤屋流 蒸らしの後数回に分けて抽出。180g落とし切り
コーヒー粉(浅煎り・中深煎り・深煎り)15g
粉の粗さ 中挽き
180g落とし切り
「オリジナルコットンパワーフィルターについて」
コットンパワーフィルターと呼ばれるフィルターです。
円錐形
コットンという名の通りコットン繊維が使われ
ネルフィルターの起毛のような役割を
コットンがしてくれます。
ろ過速度は遅め
味わいは、しっかり
口当たりまろやか
円い印象のコーヒーになるのが特徴です。
「コーノ式円錐フィルターについて」
名門Kタイプを使用

コーノ式の特徴とタイプについての説明は↓
プロ用の名門
ビギナー向けの名門K
他、名門よりも安価でより抽出効率を上げた名人
開発当初の名門は、主に喫茶店むけに販売されていたのだとか。
ネルドリップで淹れるコーヒーを理想とし、開発されたコーノ式円錐フィルター。
当初は、円錐という発想が世界的になく
まさに世界初の円錐フィルターの誕生でした。
更に、ネルドリップの味わいに近く、ペーパーという手軽さを兼ね備えたコーノ式フィルターは、業界でも広まり…
さらに一般の方でもコーヒーの美味しさを追求するマニアに支持をうけ、
知る人ぞ知るフィルターとなりました。
プロ向けに開発した当初、市販では、手に入りにくいものでしたが、現在では、家庭でも美味しいコーヒーをと
名人が作られ
名門Kが2015年に誕生し、購入の幅が広がり
手に入りやすくなりました。
時代と共に進化するコーノ式フィルター
大きな形状やリブの数は、変わりませんが
穴の大きさ
リブの長さ
リブの高さ
の違いで巧みな味の違いが生まれるのもコーノ式フィルターの特徴です。
自分の手に合ったものがお気に入りとなりますが、
手の技量が出やすい従来の「名門」はやはり人気が定着していますね
今回は名門比べ。
度々話題になりますが
どう違うのか?
かなり違います(^_^;)
ケースから出すと
名門と名門K
Kは、書体が古風ですね。
上から覗くと
リブと言われる
突起した溝が見えますか?
ここに違いがあります。↓
「名門フィルターの特徴的なリブ」
下部までしかリブがない構造となっています。
リブというのは、ドリッパーの内側についている突起部分。
メーカー各社、リブの数、高さなど様々な工夫がされています。
コーノのフィルターの最大の特徴は、逆円錐形の形状とリブの個数やつき方によって
メーカー独自の意図的な味づくりの決め手となっています。
↓
底の穴
同じ大きさですが…
リブの高さが違います。
名門
名門K
低い
リブは、名門の方が長い。
口径は、同じ
でだからどうなの?
名門より名門Kの方が
必然的にろ過速度が遅くなります。
これを抽出に置き換えて…
味をイメージしましょ。
使い方次第で、より簡単に美味しいコーヒーが作れます。
細かく観ると、樹脂の違いがあります。
名門Kの方が、熱に強い樹脂のようです。
毎日使ってますが強度が増しています。
金澤屋珈琲店では、1杯抽出用に
コーノ式円錐フィルター名門Kを推奨しています。
ちなみに、毎日使っています。
名門での1杯抽出は、リブの高さよりも粉の層がなく
あっという間に抽出が終わりますが
Kの場合は、リブが低いため
効率的に理想的なろ過速度を保てます。
フィルターと粉がかなり密着するので
蒸らしでのガス抜きをキチンと行い
抽出効率を上げてくれます。
しゃばしゃばっとなりやすい
1杯抽出。
名門Kでテクニックいらず。
本日使用するドリッパーは
「コーノ式名門フィルター」
同じコーヒー豆を、2種類のペーパーフィルターで飲み比べしました。
同じ淹れ方で比べます。
紙だけを変更しております。
①浅煎りコーヒー豆 湯温92℃
コットンパワーフィルター 略称をコットンと呼びます。
アバカ+ペーパーフィルター浅煎り用 略称をアバカ浅煎りと呼びます。
コットンとアバカで浅煎りのコーヒー豆を92℃のお湯の温度で淹れました。
同じ豆で淹れ方ですが、コットンの方がよりゆっくりとですがアバカの方は紙が薄いのですが湯だまりができやすく
同じ位ゆっくりとろ過されましたが若干早く落ちた印象です。
ほぼ同じ時間をかけていれたコーヒーですが
コットンでは酸などを中心に厚みのあるしっかりとしたコーヒーにアバカでは、いずれも柔らかに
軽やかな風味でした。アメリカンタイプの印象。
意見としてはどちらもうまいという事で判断が難しい所
厚みを求めるならコットン、柔らかさならアバカ
②中深煎りコーヒー豆 湯温90℃
コットンパワーフィルター 略称をコットンと呼びます。
アバカ+ペーパーフィルター中深煎り 略称をアバカと呼びます。
コットンとアバカで中深煎りのコーヒー豆を90℃のお湯の温度で淹れました。
同じ豆で淹れ方ですが、コットンの方が約3分アバカで約2分40秒かかりました。
気になる味は、コットンが浅煎り同様厚みがあり重たく、アバカはさっぱりと。
コットンでは苦味やコクが中心となり酸が弱い
アバカでは、苦味、酸味も中庸にあり全体的に軽い
当店の意図する味わいではコットンがいいかと感じました。
がアバカも好きなスタッフも数名。
意見分かれ。
③深煎りコーヒー豆 湯温83℃
コットンパワーフィルター 略称をコットンと呼びます。
アバカ+ペーパーフィルター深煎り用 略称をアバカと呼びます。
コットンとアバカで中深煎りのコーヒー豆を83℃のお湯の温度で淹れました。
同じ豆で淹れ方ですが、コットンの方が約3分20秒アバカで約3分かかりました。
深煎り特有の苦みやコク、うま味を引き出すのが得意なコーノ式フィルターでは明確に
コットンで淹れた深煎りコーヒー豆に人気が集中しました。
アバカで淹れたコーヒーは、バランスがよかったものの、全体的な個性が弱く感じられました。
甘味はコットンが強く厚みがある味わいでも口当たりマイルドに。
以上
3種類のコーヒーの感想でした。
コーノ式円錐フィルター自身の速度コントロールがある中での
アバカフィルターでは、本来発揮されるべき、紙の持つ力が若干弱くでたのではないかと感じます。
さながら、弱く出た中でもこれだけの味の違いを紙で出せる(アバカフィルター)のはすごいなーという印象です。
次は、ハリオV60 での検証です。